福田印刷工業 福田ブログ

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エコ

CTP無処理版を導入しました

2024/04/05

当社は最近、印刷業界における環境負荷の問題に対処するため、CTP(Computer to Plate)のプロセスにおける「無処理版」を導入しました。この取り組みにより、廃液削減をはじめ、多くの環境上の利点が得られています。

通常のオフセット印刷ではアルミプレートの版を使用します。DTP部門で制作した組版データをアルミ版にレーザーで焼き付ける作業をCTPといいます。以前はこのCTPプロセスにおいて焼き付け後にアルミ版の現像処理を行っておりました。具体的には現像液に浸すことで、インキが付く部分と付かない部分を明確にする処理のことです。無処理版を導入することでCTPにおけるこの現像処理を省きました。

レーザーで焼付した版。像が見えますが現像レスの無処理版です。

従来の現像プロセスでは、廃液の処理や現像処理工程で発生するゴミ付きなどが常に問題となっていました。これらの廃棄物は環境への負荷だけでなく、刷版品質にも影響を与えていました。無処理版により、これらの問題が根本から解消されました。ゴミ付きがなくなったことで、刷版品質が安定した印刷が可能になりました。

また、従来のCTPプロセスでは、現像処理を行う現像ユニットのメンテナンスに大量の水が消費されていました。この水の使用は、単に経済的コストだけでなく、環境に対しても大きな負担を与えていました。特に、印刷業界では水資源の持続可能な使用がますます重要になってきています。無処理版を使用したプロセスでは、この水の消費を大幅に削減しました。これは、CTPプロセスで現像処理工程を必要としないため、現像ユニットがなくなったことによるものです。

無処理版を導入するにあたり、我々は品質に妥協することなく、環境への影響を最小限に抑える方法を模索しました。その過程で何度もテストを繰り返し、従来の印刷品質を維持しつつ、環境負荷を減らすことができるようになりました。当社はこれからも、より環境に優しい印刷プロセスの開発に取り組んでいきます。

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